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中性脂肪とコレステロール

脂肪には、脂肪酸、中性脂肪、コレステロール、リン脂質の4種類が存在するそうです。 コレステロールも脂肪の一種で、コレステロールは目に見えない脂肪、中性脂肪は目に見える脂肪というふうに理解すればよいみたいです。

一般的に「脂肪」といわれているのは、中性脂肪(トリグリセライド)なのです。 脂肪組織は部位によって皮下脂肪・内臓脂肪などと分類されていますが、いずれも中性脂肪が蓄積したものであるのです。 中性脂肪の主な役割 は、以下のようになります。

また、コレステロールも中性脂肪と同じ様に、体にとってはなくてはならない存在なのですが、必要量を超えたコレステロールは、動脈硬化など、体に害を及ぼしてしまうとのこと。コレステロールは私たちの体の細胞の細胞膜をつくる材料になったり、男性ホルモンや女性ホルモン、副腎皮質ホルモンなどのホルモンや、胆汁酸の原料にもなっているそうです。コレステロールは、1日あたり1~1.5gは必要のようです。やはり日ごろの食生活で、摂り過ぎないように注意する必要があるのですね。

中性脂肪を蓄積する理由

●エネルギーの貯蔵
体内に蓄積される中性脂肪は、エネルギーが不足すると、遊離脂肪酸に分解されて血液中に放出され全身に運ばれます。そして体内各部分の細胞が正常に活動するためのエネルギー源となるのです。 1グラムあたり 糖質⇒4kcal  たんぱく質⇒4kcal  脂肪⇒9kcal と、糖質、たんぱく質に比べても、大変優れたエネルギー源になります。

ちなみに、1キロカロリーは、水1リットルの温度を1度上昇させる時に必要となるエネルギーのことです。わずか1キロカロリーの違いでもエネルギーとして見ると大変な違いになります。脂肪1gを燃焼させるためには、中性脂肪の場合、0℃の水1リットルを9℃にまで上昇させるだけのエネルギーが必要になってくるのです。大変な量のエネルギーなのです。

●体温維持
寒さから身を守り、体温を一定に保つ役割りを果たします。衝撃から体を守ります。 寒さから身を守り、体温を一定に保つ役割があります。体内の中性脂肪の量が極端に減ると、体温の調節機能に障害が出ます。

内臓を外部の衝撃から守る役割
多少何かにぶつかっても、「痛い」だけですんでいるのは、中性脂肪のおかげなのです。内臓など体内の重要な器官を衝撃から守るクッションのような働きをしています。(あまりにも激しい衝撃の場合は別です。気をつけましょう)脂肪細胞から多くの生理活性物質が分泌されていることが近年の研究からわかってきています。これらの物質は、アディポサイトカインと呼ばれています。 (ちなみに。「アディポ」というのは脂肪という意味です。)アディポサイトカインは、身体の様々な機能を維持する為に重要な役割を果たしています。 中性脂肪が多すぎたり、少なすぎたりすると、アディポサイトカインのバランスが崩れ、ホルモンの分泌や免疫系、血液の状態、生殖機能などに様々な障害を引き起こす恐れがあります。

肥満とストレスの関係とは

肥満とストレスには密接な関係があるようです。 もっとも肥満に限らず、ストレスが多くの疾患の誘因になっていることは研究により明らかなりつつあるようです。「ショックで何も喉が通らない」というような状態を経験されたことはありませんか?急激に強いストレスを受けた場合は、食欲が減退してしまうそうですが、その逆に慢性的にストレスがかかっている場合は、食欲を増進させてしまうそうです。すなわち過食 になってしまうわけです。基本的に人間の体は一定の体重に保とうとする性質を持っていて、食欲の調整が自然に行なわれているそうなのですが、慢性的なストレスがかかると、どうしても過食になってしまうそうです。食事(特に甘いものを摂る)ことにより、脳内に快感物質が分泌され、それがストレスをやわらげる役目を果たすことになるそうです。なんとなくイライラして、ついつい食べ物に手が伸びてしまう人、暴飲暴食に走ってしまう人は要注意かもしれませんね。太ると、また「太っている」ということに対してストレスを感じてしまったりしますものね。肥満を防ぐためには、まず慢性的にストレスをためないようにうすることも大切なのですね。

肥満と生活習慣病

現代の肥満は、肥満症とも呼ばれるほど、いっしゅの病気のように扱われる傾向にあります。 肥満は、糖尿病をはじめ、多くの生活習慣病を発症するリスクを高めます。 WHO( 世界保健機関)でも、「肥満は人類の疫病である」という位置付けになっています。

肥満と関係の深い生活習慣病
糖尿病(インスリン 非 依存型)
肥満している人に糖尿病が多いこと、糖尿病になると肥満になりやすいことは、ともに明らかになっています。
糖尿病は、血中のブドウ糖の濃度が上昇することで様々な合併症を引き起こす病気です。
主な合併症には、視力低下や失明、腎臓の機能低下、動脈硬化、神経障害、足壊疽などがあげられます。

高脂血症
血中の中性脂肪やコレステロールが増える病気です。中年以降の半数が高脂血症と言われるほど多い中高年に多い病気です。 高脂血症の人は、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの疾患も併発しやすい傾向にあります。

脂肪肝
高脂血症と同じく非常に多く見られる疾患であり、肝臓に脂肪が過剰に蓄積している状態を指します。肝炎、肝硬変、肝がんなどにも発展する可能性があります。

高血圧  
糖尿病と同じく、肥満と高血圧も相互に深く関係しています。正常な体重に減量するだけで改善するといったケースもあり、肥満との関係が深いことが分かっています。 上記に挙げたものに限らず、多くの疾患が何らかの形で肥満によって発症したり悪化したりする可能性を持っているといえます。 まさに、肥満は万病の元のようですね。

肥満を引き起こす様々な原因とは?

遺伝的な要素   
一家全員が太っているという場合、遺伝的な原因が強いと考えられます。 もちろん家族ですから、一緒に生活して同じものを食べているわけで、肥満になりやすい食習慣に原因がある場合もあります。 しかし遺伝的な原因の場合、食習慣を改善しただけでは、予防できないとも言われています。  

エネルギー消費機能(基礎代謝)の異常 
エネルギー消費の大部分を占める基礎代謝などに異常をきたしている場合も肥満になる場合があるようです。実際に肥満している人の脂肪細胞は、肥満していない人に比べて基礎代謝能力や熱産生能力が低いという報告もあります。

摂食中枢(食欲の調整)の異常
基本的に人間の身体は体重を一定に保つように、空腹感や満腹感を調整していると言われています。この調節機能に異常を来たすと、空腹感や満腹感を与える指令がうまくできなくなり、結果、食べ過ぎたり食べなさ過ぎたりして、太ったり痩せたりしてしまうようです。

欧米化した食生活の環境
日本人の食生活が、欧米化したことにより、高カロリー食を摂取する傾向になってきたことが原因による肥満です。また幼児期に高カロリー食を多量に摂取すると、脂肪細胞が増殖し一生太りやすい体質になるとの報告もあります。 このように肥満の原因は様々であり、それぞれに合ったダイエットをすることが必要となってきます。流行っているからといって、そのダイエットが自分にも当てはまるとは限らないようです。

隠れ肥満にご用心

最近の研究によって、内臓脂肪型肥満が、特に生活習慣病と関連が深いことが明らかになってきています。肥満の場合、内臓脂肪型肥満であるかどうかを判定することが重要なってきています。 厳密には、CTで腹部の断面を診断し、 内臓脂肪面積が100平方センチ以上 の場合、内臓脂肪型肥満と判定されるようです。

内臓脂肪が及ぼす悪影響
脂肪組織は、エネルギーの貯蔵庫としての役目のほかに、生体の様々な機能をコントロールする生理活性物質(サイトカイン)を生産していることがわかってきました。特に内臓脂肪が過剰に蓄積された状態では、サイトカインが正常に生産されなくなってしまい、様々なトラブルを引き起こすようになります。血栓が出来やすくなったり、動脈硬化になったり、糖尿病になったり、といった悪影響がもたらされます。

隠れ肥満の問題

一見肥満には見えない体型でも、内臓脂肪が増えてしまう、いわゆる隠れ肥満の心配があります。隠れ肥満は、ダイエットのリバウンドを繰り返したり、運動不足、偏った食事から、なりやすいと言われています。上記に思い当たるふしがあり、全体的には痩せていても、お腹だけがポッコリ出ているような場合は、要注意です。

単純性肥満と症候性肥満

単純性肥満
肥満の95%がこのタイプとされています。 身体の機能に異常があるわけでも、特定の病気が原因となっているわけでもなく 単純に生活習慣が肥満の原因となっている場合です。

症候性肥満
生活習慣に関わらず、病気や身体機能の異常によって起こる肥満です。 ホルモンの分泌異常や脳の疾患からくる摂食異常、薬の副作用などから起こります。

体重と体脂肪

理想的なボディーを手に入れたいのならば、「体重」を減らすことよりも「体脂肪」を減らすことが大切です。 どうしても体重にばかりが気になりますが、大切なのは、脂肪を減らすことなのです。 体重から脂肪だけを取った重さを「除脂肪体重」といいます。 除脂肪体重には、骨、筋肉、血液など、生命維持のために欠かせないものが含まれています。 短期間で体重を減らした場合、減った重量の、ほとんどが水分で、次に筋肉、骨、血液となります。肝心の脂肪はほとんど減っていないようです。体重はあくまでもその人の重さを示したものです。飲んだり食べたりすれば、体重が増えるのは当然なのです。


さまざまな肥満の種類

りんご型肥満とは、おなか周りが太くなり、りんごのように膨らんだ体型のことを指します。女性よりも男性に多く、脂肪細胞のサイズが大きくなることで生じる肥満なので、ダイエットやエクササイズで解消しやすいという特徴があります。

りんご型肥満は「内臓脂肪型肥満」の場合が多く、メタボリックなど生活習慣病の原因になりやすいことでも知られています。内臓脂肪は生活習慣病を引き起こす働きのある「サイトカイン」を分泌するので、りんご型肥満の疑いがある型は、早めの対処が重要です。俗に、「ビール腹」「リンゴ型肥満」ともいわれています。男性は30歳前後から腹部に脂肪がつきやすくなります。内臓の周りに脂肪が付着し、お腹がせり出します。

内臓脂肪型は、生活習慣病と関わりが深く、高血圧、脳卒中、糖尿病、虚血性心疾患などの誘因となります。 現在は、メタボリックシンドロームという言葉が知られるようになり、内臓脂肪への感心が高まっています。

      

洋なし型肥満とは、おしりや太ももなど下半身が太くなり、洋なしに似た体型のことを指します。通称皮下脂肪型、男性より女性に多い肥満のタイプなので、「女性型肥満」と呼ばれることもあります。皮下脂肪型肥満の場合が多く、皮下脂肪からは「サイトカイン」が殆ど分泌されないので、生活習慣病の原因になることは少ないです。

その反面、脂肪細胞の数が増加するので、ダイエットやエクササイズなどで解消しにくいタイプの肥満です。『女性は、年齢とともに脂肪のつく場所に変化が見られます。20代後半ごろまではヒップや太ももについていた脂肪が、それ以降はウエスト、腹部に脂肪がつきやすくなります。加齢と共に、ホルモンの分泌が変化して、体脂肪が増え、筋肉が落ちてゆきます。皮膚にもハリがなくなり、重力との関係でバストやヒップが垂れ下がってしまいます。(予防するには、余分な脂肪をためないこと、適度な筋肉をつけておくことが必要となってきます)

ではなぜ肥満がいけないのか。それは肥満の方が標準以下の方に比べ生活習慣病になりやすいからです。生活習慣病には高血圧、糖尿病、高脂血症、痛風、脳血管障害、動脈硬化症、虚血性心疾患などがあり、更に脂肪肝、胆石、月経異常、膝関節症などの原因にもなります。上記のような病気になる前に余分な脂肪を落とし、若々しい体になりましょう。


※ メタボリックシンドロームとは?
内臓脂肪の蓄積により、生活習慣病が起こりやすくなった状態のことです。メタボリックシンドロームの人が糖尿病を発症するリスクは、通常の7~9倍、心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクは約3倍にもなるといわれています。


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